こんにちは。タグログのスミダです。
最近はありがたいことに本業が忙しく、ブログの更新が全然できてなかった。
言い訳に聞こえるかもだけど、このブログはそこまで収益化を意識しておらず、書きたいことを書けたらいいな~なんて思惑で始めたものなので、どうしても後回しになってしまう。
あと最近忙しかった理由としてはもう1つあって、タイトルにもある通りで、なんとこの適当男がマイクロ法人を設立したのだ。またひとり、日本社会のためにならない社長がここに増えたことになる。
マイクロ法人とは、いわゆる1人社長の会社のことで、ある程度稼いでいる個人事業主にとってはめちゃくちゃメリットが多いスキームだ。
なので、ぜひいろんな人に知って欲しいのだが、なんせ会社を立ち上げるってことなので、ノウハウを持ってない人にとってはハードルが超高いのである。
Google先生に聞いてみても、ガチで会社を立ち上げるときのノウハウは出てくるんだけど、もっと簡単に1人会社をサクッと立ち上げるノウハウが知りたい!!というニーズを満たす記事はありそうで無かった。
というより、詳細に書かれすぎていて、自分は何をすべきなのか?全部やるべきなのか?という判断ができなかったのだ。
でもGoogle先生に聞いても「法人設立するときにやるべき30のこと」みたいなタイトルが並んでいる。「すべてやるべきなんだろう」という判断のもと実際にタスクをこなしていくと、1人会社だとやらなくて良いことがあったり、想定とは全然違う部分で悩んだりすることが多かった。
というわけで前置きが長くなってしまったが、短い人生の中で何回もやることではない法人設立をやったので、せっかくなのでそのときに調べてわかったことや実際にやったこと、つまづいた部分などを備忘録として残そうと思う。
まずこの記事では、マイクロ法人と個人事業主の二刀流の魅力や、どういう仕組で何がお得になるのか、などを中学生でもわかるぐらい簡単に噛み砕いて書いていこうと思う。「サルでもわかる」と書こうと思ったが、さすがにサル語は書けないのでやめておいた。
本編の「マイクロ法人を設立するために僕がやったこと」は別記事にするので、そちらも合わせてご覧いただければ幸いです。あとはTwitter(X)で応援のDMとフォローとツイートを100個ぐらい読んでイイねしておいてください。
それでは、どうぞ。
マイクロ法人とは
マイクロ法人とは、いわゆる1人会社のこと。
めっちゃ簡単に言ってしまえば、ちっちゃい会社ってことだ。
法律でマイクロ法人の概念が決められているわけでも、何かルールがあるわけでもない。
どうせなら何か特別な定義をしておいてくれていれば、もっと書くこともあったのに、これでは何も書くことがない。どうしよう。
法律やルールという意味では、普通の会社とまったく同じ枠の中で規定されている。
もちろん従業員の人数などによって税金などは変わるし、省略できる手続きがあったりするが、マイクロ法人という概念は法律にはない。
そもそもマイクロ法人がどういう経緯で広まりだしたのか、どこで誰が始めたのかは不明なのだが、マイクロ法人を活用することで一部の人にとってかなりお金の節約になる、ということで今話題になっているわけだ。
具体的に何が節約になるかというと、主に「国民健康保険」。国保、国民健保、国ちゃん、なんて呼ばれたり呼ばれなかったりする。
マイクロ法人のメリットとして他には、経費を二刀流で落とせるとか、役員報酬を払えるとかいろいろ言われているが、実際のところこの「国保の節約」がメインだ。
もちろん家族の人数や収入など、その人の状況による変数は多いので異論は認める。
もう少し具体的にいうと、会社に所属している人だけが入れる「社会保険(協会けんぽの健康保険、厚生年金など)」に入れない僕たち個人事業主が、法人を立ち上げることによって、自分で社会保険に入れるようになるということ。
日本の国民健康保険って、バカみたいに高いですよね?1000万人ぐらい同じことを思っているのではないだろうか。
それに対し、社会保険の金額はお給料によっても変わるが、マイクロ法人は自分でお給料(役員報酬)を調整できるので、役員報酬を少なく設定することで社会保険料を安く抑えられる、という仕組み。
僕の場合、年間で60万円ぐらいは節約になる予定だ。
もし1年で50万円の節約なら、同じ生活を3年続けるだけで150万円の差が生まれる。
150万円あれば、何でも買えてしまう。想像するだけでご飯が美味しい。
iPhone15 pro maxに、高性能なゲーミングPC、100インチの大画面で映画を観れるアラジンXを買っても、まだまだお釣りがきますよ?え、モノより思い出?はい、旅行でも大丈夫ですよ。
マイクロ法人との二刀流はさっきも言ったように変数はかなり多いので、人によってはあまり節約にならず、ただ法人の管理が大変なだけになってしまうかもしれない。
だが逆に、僕のように50万円も60万円も節約になる可能性もあるということ。
もはや超激甘のビジネスだ。
さぁ、あなたは何万円の利益を生めそうですか?
計算するだけでも無駄じゃない、そう思いませんか?
「なんか大変そう」で計算するのをめんどくさがって年間50万円の節約チャンスを逃すのって、それこそバカのすることだと思いませんか?
ところで最近のiPhoneってなんであんなに高いんですかね?
このあいだiPhone15 pro maxを新品で購入したんだけど、最小の256GBで約19万円ですよ?ヤバない?まぁモノは最高なので後悔はしていませんが。
マイクロ法人の二刀流でお金を生む錬金術
マイクロ法人について軽く概要をお話してきたが、もう少し具体的にお金の話をしようと思う。お金の話、好きですよね?酒のツマミにも最高です。
さて僕は今、個人事業主として年間の売上が1000万円ぐらい。恥ずかしいので内緒にしておいてほしい。
節税のため経費でめちゃくちゃ削りまくって、所得が400万円ぐらいになります。
家賃や光熱費も按分で経費にするし、仕事用のメガネ、iPhoneやパソコン、その他消耗品、書籍、調査費や食費や交通費などなども経費にして、合法的に極限まで削っている。
たとえば所得税でいうと、そこから所得控除を差し引いて、200~250万円ほどが課税所得になる。
個人事業主なら最低限の税金の知識はあると思うので、このあたりの単語の説明は省略させていただく。大丈夫ですよね?
で、個人事業主で課税所得がこの金額であれば、所得税は5~10%。
法人税は固定で15%だから、個人事業主のほうがお得じゃん。
って思いますよね?思いますよね?
さてここが重要なPoint。マイクロ法人は一般的な法人化(法人成り)と違って、事業の一部だけを法人に移すことになるので、メインとなる所得は個人事業主のまま。
ようするに、事業の一部だけをマイクロ法人に移したり、新しい事業を始めてマイクロ法人で少しだけ稼ぐ。これまでの売上は個人事業主のままなので、所得税や住民税はこれまでとほぼ同じ。でも会社経由で安い社会保険に入れるから超お得、ということだ。
もうこれだけ。今日の記事、終わり。
なんだけど、もう少し話を聞きたい変態さんのために特別にあと3000文字ほど補足説明をしておく。
この個人事業主と法人で「別の事業をしている」という部分が、二刀流のキモでありミソでありエッセンスでありポイントでありキーとなる部分だ。この話はあとでもまた出てくるるので、覚えておくと良い。
はい。ここまでボヤッと理解するだけなら簡単な話なので、僕もこれほどハゲることはなかったのだが、実はまだまだ考えないといけないことがある。僕がハゲているのは、そのせいですね、ハイ。
マイクロ法人の二刀流が難しいと言われる理由
税金は個人で払って、社会保険は法人で、最強!
という単純な話ではないのが、マイクロ法人があまり広まっていない理由だと思われる。
二刀流を複雑にする理由がいくつかあるので、それについてもお話しておこう。
1.社会保険料控除
個人事業主では、国民健康保険や国民年金に支払ったお金は、社会保険料控除として適用できる。適用してるよね?
僕の場合、毎年80万円~100万円ほどが控除の対象となる。
超単純計算、所得税と住民税をあわせて15%だとしたら、15万円ほど税金が少なくなるということ。めっちゃでかい。
しかし、マイクロ法人で社会保険に加入するとなれば、この控除が0円になるということだ。
僕の場合、課税所得が80万円~100万円も増え、所得税と住民税を合わせて15万円ほど税額が増える。
・法人で社会保険に加入するので超安くなる
・その代わり所得控除も減るので納税額も増える
ざっくり、この差額が二刀流をすることで得られるあなたのお小遣いです。
国民健康保険は地域によって計算方法に違いはあるが、僕の地域では、
・所得割が課税所得の約13%
・均等割が固定で5万円×家族の人数(スミダ家は4人家族なので20万円)
所得割は「売上ー経費=所得」から基礎控除(43万円)を引いた金額(僕の場合は350万円ほど)に13%がかかることになり、固定の均等割と合わせて約60万円~80万円の請求が毎年送られてくるたびに腰を抜かしている。
40歳をすぎるとさらに保険料は高くなる。
さらに国民年金には扶養制度がないので、スミダ家の場合、僕と妻とダブルでかかり、年間40万円ほど。
やべくないですか?
マイクロ法人では、売上を最小限に抑えることが重要だ。理想は役員報酬を毎月45,000円支払えるぐらいの売上が良いと言われている。賢い人たちが計算したんです。
役員報酬をこの金額にしておけば、社会保険料は個人負担と法人負担を合わせても毎月2万円ちょっと。健康保険(協会けんぽ)と厚生年金と合わせてこの金額だ。※法人の社会保険は個人負担と法人負担があるが、マイクロ法人の場合どっちも自分なので合わせてする必要がある。
ざっくり計算、年間でいうと25万円ほど。
個人事業主として今まで僕は毎年80万円~100万円を払ってたことを考えると、めちゃくちゃ良心的だ。考えてくれた人を抱きしめたい。
すべての事業を法人に移す法人化(法人成り)だとどうしても売上が多くなるので、法人税もかかってくるし社会保険料はもっと高くなるのだが、マイクロ法人だと極限まで安く抑えられる。
仮に個人の国民健康保険と国民年金が90万円、マイクロ法人にした場合に25万円だとすると、65万円がお得になる差額。
ただし、最初にお伝えしたように、社会保険料控除は少なくなるので、その分の個人の税金は高くなりますよ、ということをこの見出しではお伝えしておきたい。
さぁ、あなたもそろそろハゲてきたのではないでしょうか。
どんどん行きますよ。
法人としてかかる経費
はい、ここまでで50万円節約できた。
でも法人って、そこにあるだけでお金がかかるものだ。
主に考えるべきは、
・法人税
・法人住民税
・会計ソフト、税理士
の3つ
マイクロ法人はさっきもお伝えしたが、売上を最小限にすることが基本なので、法人税はあまり気にしなくても良い金額だ。
基本的には売上があっても、役員報酬(経費)と相殺されて、法人税はほぼかからない。
僕の場合は、毎月5万円ぐらいの売り上げが出る事業をしている。
経費は役員報酬ぐらいで、あとは経費の必要ない事業だ。もし売上が伸びていきそうなら、もちろん事業に必要な出費に限るが、たとえば会社名義で物を買ったりサービスを利用したりすることで、経費を増やすことも可能だ。家で仕事をするなら、ネット契約を法人に切り替えても良いかもしれない。
ちなみに法人は赤字に寛容なので、多少の赤字は気にしなくても良い。
もし役員報酬を支払うお金が足りなかったら、個人の口座から法人の口座へ事業主借として入れて、それを役員報酬として個人の口座へ入金する。
自分のお金をぐるぐる回して何してんだ(笑)って感じるかもしれないが、まぁそういうことなのだ。
売り上げがガッツリ発生してしまうような事業だと、とつぜん法人税が高くなってしまう可能性もあるが、売上をある程度コントロールできる事業であれば、かなりやりやすいはずだ。
2つ目の「法人住民税」については少し特殊で、売上がなくても7万円が固定でかかる仕組みである。
まず法人住民税には、法人税割と均等割があって、それぞれを足した金額を納税する。詳細は各自治体のHPに書いてあるので読んで理解しておくべきだ。
とはいえ、所得割と均等割で計算する個人の住民税と似ているので、個人事業主であれば馴染みがあるかと思う。
法人税割は約7%が標準、均等割は資本金の額や従業員によって変わるが、マイクロ法人であれば7万円となる。
法人税割は売り上げがあれば高くなるシステムだが、ほぼ売り上げを出さないマイクロ法人では高額にならない。赤字であれば、もちろん0円である。タダ、大好き。
ただし、均等割は赤字でも必ず7万円を納税する必要がある。
3つ目の「会計ソフト、税理士」は、お金をかければめちゃくちゃかかるし、頑張れば0円になる部分だ。
僕は頑張り屋さんなので、ここは0円です。
マイクロ法人で毎月5万円ほどの売上を出すぐらいであれば、経理作業はほとんど発生しない。僕の場合、毎月5~6件の取引があるぐらいだから、仕分けは一瞬で終わる。月に1回、10分ほど整理しておけば全く問題なし。大変なのは、決算だ。
決算についても、どこかで記事にできたらな~と、何となく頭の隅のほうで考えているようないないような気がしないでもないと思っている。たぶん。
個人事業主で会計ソフトを使ってるなら同じものを使っても良いと思う。僕はスプレッドシートを使って管理しているので、無料。
経理についても勉強しつつやってるので、税理士にも頼んでいない。
これをお金で解決するなら、会計ソフトに年間5万円、税理士に10万円~30万円というところだろうか。
節約のためにマイクロ法人やってるのに、ここでお金を取られるのはすごくもったいないと思うので、できれば税理士には頼まずに自分の力でなんとかしたいものだ。
経理関係は税理士に頼んだとしても、けっきょく自分もちゃんと理解しておかないといけないことなので、僕はあまり必要ないんじゃないかなと思っている派だ。
最初は特に時間はかかるが、個人事業主として稼ぐ力のある素晴らしい皆様なら、やればできるはず。
ただ過少申告などであとから過少申告加算税を取られてもアホらしいので、わからければ税務署に電話したり、ネットで調べまくったり、自分で解決する能力はある程度必要かもしれない。
と言っても100万円も過少申告してた!なんて大きな誤差はないと思うので、マイクロ法人である限り、そこまで心配する必要はないだろう。
税務署の人も鬼ではないので、間違えていたら間違えてますよって言ってくれる。そこでちゃんと誠実に対応すれば問題ない。
あまり無責任なことは言えないが、ちょっと間違えただけでいきなり「脱税だ!」なんて言われることはないので安心して良いと思う。
個人と法人の事業の区別について
最後に、ちょっとマジメな話をして終わろうと思う。
個人事業主とマイクロ法人の二刀流をするのは、2023年現在では法律的にはなんら問題がない。もちろん今後、法律が改正されて二刀流ダメ絶対!と言われる日がくる可能性もあるので頭には入れておくべきだが、そんなこと言ってたら何も行動できないので気にしない気にしない。
もしかしたら今後、地球の酸素が減って呼吸税が取られる可能性があるから今から少ない呼吸でも生きられる練習しておかないといけないかも…って不安になる人はいないですよね?それと同じです。知らんけど。
とにかく、マイクロ法人については、今は問題ないのだ。問題があるとすれば、個人と法人で売上を分散させ、経費をごまかし、脱税のようなことを知らず知らずのうちにでもやってしまう可能性があることだ。
たとえば、節税のために個人事業主の売上の一部を法人の売上とし、経費を増やし、売上の一部をなかったことにする、なんて荒業もできてしまうが、これは当然認められない。バレたら怒られる、じゃ済まないだろう。
マイクロ法人は1人会社であるからして、実態は個人と同じだ。
そのため、法人と個人の区別がかなり曖昧になる。
だからこそ、ここで大事なポイントは、法人と個人で事業内容をハッキリと区別しておくこと。
実際に仕事をするのは法人も個人も同じ1人の人間だったとしても、
- 事業内容
- 売上
- 経費
ここをはっきりと分けておけば、今のところまったく問題はない。
難しい言い方をすれば、「法人格が認められるかどうか」という話だ。
上記3点の区別があいまいになってしまうと、法人格が認められず、個人でやってくださいね~と言われて終わり。
個人の事業はコレ、法人の事業はコレ、だからこの売上は個人で、この売上は法人。経費もコレは個人の経費で…とちゃんと説明できないといけない。
そもそも法人設立の時点で、「事業目的」というものを定めないといけない。
これが個人でやっている事業とは別の事業でないといけないので、多くの人が頭を悩ませる部分にはなると思う。
個人で今までやっていた事業の一部を法人に移すのか、新たに事業を始めるのか、それはどちらでも良いのだが、とにかく区別することだ大事だ。
その区別については事業によってパターンが多すぎるのでここでは触れないが、もし事業内容が似そうで区別していると認められるかどうか不安という人は、検索してみると同じように悩んでいる人も多いので、良い情報がチラホラ見つかるかもしれない。
マイクロ法人はめんどくさい
最後に、ここまで書いておいて何だって話だが、正直マイクロ法人はめんどくさい。
そもそも法人の設立にたくさんの手続きが必要で、勉強することも多い。設立したあとはタスクとしては少ないが、経理関係は常に意識しておく必要がある。最後にお話した事業内容についても考えなくちゃいけない。
それでも、毎年数十万円のお金が浮くと考えたら、それだけで頑張る価値があると思いませんか?
というわけで次の記事では、マイクロ法人を設立するにあたって実際に僕がやったこと、つまづいたこと、などを書きたいと思う。
そろそろ頭から残り少ない髪の毛とともにマイクロ法人設立の記憶も抜け落ちていきそうなので、早く書かないとヤヴァイ、と実は焦っている。
それでは、また。